MIHO’S  PERSONAL HISTORY 古閑美保の生い立ち

古閑美保物語

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第6話 野球教育 ②

前回お話したバッティング練習についてもう少し詳しくお話します。

プラスチックのバットで構えなどを教え込み、レベルスイングが出来るようになると、今度は、子供用の木製バットを買ってあげました。
始めは、プラスチックと違い、バットの重さに戸惑っているようでしたが、美保はすぐに慣れてしまいました。
毎日の練習は、新聞紙を丸めてボールを作ったり、ティッシュペーパーを小さく千切り、水で濡らしたものを投げてあげて打たせいました。
部屋の中は濡れたティッシュだらけで、妻の裕子は呆れ返っていましたねある日のこと、私は思いつきで美保と二人で裏の山に登り、どんぐりをいっぱい拾ってきました。
どんぐり拾いは楽しく、家に持って帰ると妻があきれた顔で、「今度はなんばすると?」と聞いてきましたので、私は「決まっとるた!ティバッティングのボールにするとたい!」と返しました。
さすがに家の中でどんぐりを打つと、妻の逆鱗に触れそうなので、どんぐりは庭で打たせていました。毎日100個くらいのどんぐりを美保は黙々と打っていました。

夏になると近くの川に行き、肩まで水に浸からせての素振り、冬は雪を丸めて投げてあげたりと全てのものをバッティングに結び付けて、楽しく練習をしていました。
たまに、近くのバッティングセンターに連れて行ってあげると、美保は大喜びで気がすむまでがんがん打っていました。

月日が流れるのも早いもので、気がつけば、あっという間に美保は小学2年生になりました。
楽しい毎日を送っていた中で、あんなに悲しい出来事が起こるとは夢にも思いませんでした。

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